今年もサムスンのハイエンドタブレットが発表されました。日本では10月7日発売で、Galaxy Tab S12+が22万7480円から、Galaxy Tab S12 Ultraが27万1480円からとなります。

競合となるハイエンドAndroidタブレットが少ないため、この価格が高いのか、お買い得なのかがわかりにくいのですが、値上がりを続けるスマートフォンと比較すれば、「ハイエンドのわりには……」と思えなくもない金額です。ライバルと考えられるiPad Proと並べれば、ほぼ同等の価格で、如実に部材価格が上がっていることを考えると、後発ながら同水準に揃えてきたあたりには、努力が垣間見えます。
さて、そんなGalaxy Tab S12シリーズですが、「そもそもAndroidタブレットは需要があるのか」という話こそが、魅力を分けるポイントとなるでしょう。ここでは、個人的な見解をつらつらと語っていくので、最近のAndroidタブレットってどうなのよと気になった方は、暇つぶしにぜひ。
タブレットのニーズはいつの時代も限定的
タブレットは、普及し始めた頃から「スマートフォンとノートPCの中間」といった言われ方をしています。よく言えば「いいところどり」、悪く言えば「中途半端」といった感じです。

ポケットに入れてどこにでも持ち出せるスマートフォン、キーボードのタイプ感やソフト面の優位性で、ビジネスシーンでの相棒として盤石の地位を持つノートPCと比べれば、確かにタブレットは微妙な立ち位置です。各社、タブレットの新製品を発表するときには、ビジネスシーンでの活躍や、エンタメコンテンツへの適性を推すことが多くありますが、対極の2つを並べていることもあり、結局どっち? と思わなくもないです。

そんな立ち位置にいることに加え、タブレットのニーズはアップルが大きく確保していることもあり、Androidタブレットを一般向けに販売するメーカーは少なくなっています。ファミレスに置いてあるような、法人向けの安価なものだったり、ゲーミングタブレットなどはまだ一定数見かけますが、大衆向けと考えると、展開するメーカーは限られてきます。
近年タブレットの展開を精力的に続けているメーカーとしては、Xiaomi、OPPOなどが挙げられますが、その多くはエントリーからミッドレンジのスペックを搭載するもの。やはり、一般向けのAndroidタブレットは、この辺りがニーズのボリュームゾーンなのでしょう。
あえてハイエンドモデルの展開を続けるサムスン
そんな状況の中、サムスンはハイエンドモデルの展開を続けており、今年もGalaxy Tab S12シリーズを国内投入します。厳密には各価格帯にタブレットを揃えていますが、やはり注目なのはフラッグシップモデルでしょう。
スマートフォンと同様に、フラッグシップモデルにはそのメーカーが目指している世界観や、今持っている最先端の技術が反映されます。フラッグシップモデルに搭載された機能が、1年、2年後に廉価モデルへと引き継がれていくことも多く、上位モデルは“見せ球”的な役割を果たすのも事実ですから、出し続け、多くの人の目に留まることは大切です。
また、一定数あるハイエンドAndroidタブレットのニーズを取るという意味でも、サムスンにはぜひ頑張り続けてほしいところ。消去法で選択するような、嫌な言い回しになってしまいましたが、今回のGalaxy Tab S12シリーズは、スマートフォンシリーズと同じDNAを感じる薄さや剛性が魅力であり、Androidタブレットとしては初めて、Adobe Photoshopに対応するといった強みも持ち合わせています。


Galaxy AIにおける、“先回りするAI”ことNow Nudgeも、分割表示がしやすい大画面デバイスで、より輝く機能です。長らく搭載されているDeX機能のブラッシュアップ、Sペンの同梱など、クリエイターに刺さる要素もふんだんに盛り込まれており、ビジネスシーンで活躍するキーボード付きカバーも、別売りではありますがしっかりと用意されています。


特にハイエンドAndroidタブレットは数が少ないので、スマートフォンのGalaxyユーザーではない層が、いいAndroidタブレットを求めた際に、ブランド名を問わずに選択肢に入れる可能性があります。タブレットからGalaxyユーザーとなり、次はスマートフォン、スマートウォッチと広がっていく可能性を考えると、ブランドの認知を広げるという意味で、重要な役割を担えるポテンシャルがあります。
個人的な見解ですが、ビジネスシーン、プライベートのどちらにおいても、ハイエンドタブレットが1台あると便利です。ノートPC代わりに、より薄く軽いタブレットを持ち出せたり、大画面で動画視聴、ゲームができたりと、生活が豊かになる感覚があります。絶対に必要なデバイスではありませんが、あると役立つデバイスという感覚です。
気になるAndroidタブレットの未来
サムスンにはハイエンドタブレットの展開を続けてほしいところですが、市場を見てもわかる通り、厳しい部分もあるのは事実。一方で、技術の発展、ソフトウェアの洗練から、期待したい部分もあります。ここからは個人的な妄想の側面が強くなりますが、よければお付き合いください。
1つ期待したいのが、スマートフォンと同様に、タブレットも折りたたむという方向性。Galaxy Tab S12シリーズは、+が12.6インチ、Ultraが14.6インチと、ノートPCとしてもそこそこ大きいサイズ感になるので、これを折りたためれば、カバンにしまいやすく、取り出しやすいサイズになるのではないでしょうか。
今の折りたたみスマートフォンがタブレットサイズになるといっても、大きくて8インチ前後ですから、大画面タブレットとは使い勝手が異なります。10インチ以上のサイズが手軽に持ち運べるようになると、また違う快適さが生まれるのではないでしょうか。
8世代も折りたたみスマートフォンを積み重ねてきたサムスンですから、折りたたみタブレットが出てきても不思議ではありません。フレックスモードで、下側に仮想キーボードが現れたりしたらたまりません。日本で展開されているものだと、PCではありますが、レノボのThinkPad X1 Foldが近い思想ですね。
もう1つ期待したい要素が、今年秋に登場予定となっている、グーグルのAluminium OSです。こちらはAndroidとChromeOSを統合したPC向けのOSですが、土台がAndroidであることから、同じく大画面ディスプレイを搭載するAndroidタブレットにも、対応ソフト、アプリの増加といった恩恵がある可能性があります。タブレットはキーボードレス、タッチ操作が前提のデバイスなので、どこまで互換性があるのかはわかりませんが、少なくとも大画面に寄せたUI/UXのアプリが増加する期待感はあります。
筆者もAndroidタブレットやChromebookを仕事用携帯機として活用しようと、何度も試みては挫折してきました。主な要因は、PCほど快適に使用できる編集ソフトがないというもの。Aluminium OSの登場は、この課題を解決する一助となるかもしれません。
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