UQ mobileが“実質クレカ割”の「UQコミコミおトク割」を導入してきた狙い

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完全にタイミングを逃してしまいましたが、6月25日より、UQ mobileの「UQコミコミおトク割」が提供開始されています。

物価高騰により、通信業界にも値上げの波が押し寄せている昨今、もはや多少の値上げであれば、ユーザー的にも「仕方がないよね」と許される風潮がある中で、事実上の値下げにも見える割引施策が登場しており、注目している人もいるはず。ここでは、料金プランと割引内容、このタイミングで割引施策が登場した背景について紐解いていきます。

「UQコミコミおトク割」の詳細をチェック

提供開始となった「UQコミコミおトク割」は、UQ mobileの「コミコミプランバリュー」に加入した人が対象となります。なんで“コミコミバリュープラン”じゃなくて「コミコミプランバリュー」なんでしょうね。

基本プランとしては、3828円/月でひと月35GB、1回10分以内のかけ放題がついてきます。翌月へのデータくりこし、Pontaパスも無料で付帯し、au Starlink Directのサービスも無料で申し込めます。

【参照】UQ mobile コミコミプランバリュー
https://www.uqwimax.jp/mobile/plan/komikomi-pv/

かねてより店舗を構えるMNOの料金ブランドとしてはそこそこお得なプランでしたが、「UQコミコミおトク割」では、最大13か月間は660円割引の3168円/月となります。新規契約、MNPはもちろん、現在UQ mobileを利用しているユーザーであっても、「コミコミプランバリュー」に変更することで、割引が適用できるのが強みです。受付終了日は未定となっています。

また、au PAY ゴールドカードユーザーであれば、14か月目以降も月660円の割引が継続されます。au PAY ゴールドカードには1万1000円の年会費が発生しますが、その分Pontaポイントが貯まりやすくなるので、au PAYやカード支払いを活用していくことで、十分年会費を回収できるでしょう。生活スタイルにもよりますが、ゴールドカードの恩恵を受けながら、通信費まで抑えられるのが、「UQコミコミおトク割」の魅力です。

一度の値上げを取り返す新たな割引施策

13か月660円引き、au PAY ゴールドカードユーザーなら14か月目以降も継続する割引となる「UQコミコミおトク割」は、昨今続く値上げの流れとは対照的なものです。

とはいえ、忘れてはならないのが、2025年6月から提供開始となっている「コミコミプランバリュー」が、そもそも旧プランの「コミコミプラン+」から値上げされているという点です。旧プランから月々のデータ容量が5GB増量し、Pontaパスがセットになっているため、ただ値上げをしたわけではありませんが、直接の負担額という意味では増加しています。ちなみに、「コミコミプランバリュー」の提供に伴い、旧プランも220円/月の値上げが行われています。

新たな割引の登場からは、新プランの評判が芳しくなかったことがうかがえます。Pontaパスが付き、容量も増えているため、個人的にはそこまで「値上げだ!」と鼻息を荒くするほどでもないかなと感じていますが、やはり直接の支払額が増えることに抵抗がある方が多いのでしょう。

また、KDDIだけでなく、通信キャリアでは経済圏の競争が激化しており、各社が料金プランに金融サービスを組み込む流れが生まれています。auにも「au PAY ゴールドカード」を活用することで、Pontaポイントがザクザク貯まるポイ活プランが用意されています。

UQ mobileは、メインブランドの大容量プランにステップアップしてもらうための、“ワンクッション”的な役割を担う側面もあります。ユーザーのデータ使用量は年々増えており、ただでさえ大容量プランのニーズが高まっていますが、UQ mobileのうちからau PAY ゴールドカードを所有してもらえれば、メインブランドの大容量プランでも割引が適用できるため、移行するハードルが低くなるという狙いもあるでしょう。この辺りが、既存のUQ mobileユーザーにも適用できる施策となった要因なのではないでしょうか。

無視できない他社との競争

そもそもがMNOとしては安価な料金プランとして提供されているUQ mobileですが、割引を用意した要因として考えられるのが、他社中容量プランの動向でしょう。

直接的なライバルプランといえるワイモバイルを見ると、35GB/月の「シンプル3 L」は、基本料金が5478円とそこそこの価格になりますが、PayPayカード ゴールド割、おうち割 光セット(A)などの割引サービスを適用することで、3058円/月まで下げられ、デフォルトで10分の音声通話も付きます。光回線の契約が必要となるため、すべてを適用するハードルはUQ mobileよりも高くなりますが、35GB/3058円のインパクトは強いでしょう。

中容量プランとしてかなりのインパクトを持って登場したのが「JALモバイル powered by ahamo」です。厳密にはJALモバイルのサービスとなりますが、ahamoと同じ品質、料金で提供されるだけでなく、マイルまでお得に貯められるとして、注目度の高い料金プランになっています。細かな情報はぜひ過去記事をチェックしてください。

もう1つ、中容量プランではないものの、無視できないのが楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」です。3278円/月で使い放題となるほか、家族割といった割引オプション、「Rakuten最強U-NEXT」のようなセットプランも登場しており、徐々に競争力を増しています。昨年末には1000万回線契約も突破しており、しっかりと勢力を拡大しています。

また、KDDIは楽天モバイルに対し、回線を一部貸し出していることでも知られていますが、このローミング契約は2026年9月いっぱいが期限となります。現時点で楽天モバイルのエリア化が完了したところからローミングを随時打ち切っており、以前は(ローミングで)繋がっていた場所において、楽天モバイル回線では通信ができなくなっているといった声も見かけます。

ローミングが完全に終了すると、今以上に楽天モバイルユーザーから不満の声がより上がってくるかも。KDDIとしては、povo 2.0にて、楽天モバイルユーザーを刈り取るような新トッピングを提供開始していますが、店舗対応、決まった料金という従来の形式でサービスを提供するUQ mobileにおいても、そこそこの容量と金額で、満足度の高い通信品質を用意することで、楽天モバイルに不満を持つユーザーの移動先になる可能性は、十分考えられます。

「UQコミコミおトク割」は、KDDIとしてのシナジー、他社対抗の両面から見て、非常に合理的な仕上がりと言えます。1ユーザーとしては、サービス品質を維持しながら、月額料金が下がってくれるのであればハッピーです。コンテンツがリッチになり、大容量、無制限プランがメインストリームになっているため、中容量プランの立ち振る舞いがやや難しくなってきている状況だからこそ、各社からユニークで競争力のあるプラン、割引サービスが出てくることに期待しています。

*記載内容は、公開日もしくは更新日時点のものです。最新情報については、必ず各公式ページをご確認ください。

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佐藤文彦

塾講師からの転職後、編集プロダクションを経てフリーライターに。ケータイ業界を中心に、ガジェット、通信技術に関する情報を幅広く取材中。三度の飯よりレビューが好き。スマートウォッチを付けていられる腕が足りないことが最近の悩み。(X:@fumihiko_sato_x

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