10万円切りの低価格モデル「MacBook Neo」をちょっとだけ試して感じる存在意義

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かねてから噂されていた通り、廉価版MacBookという位置付けで「MacBook Neo」が登場しました。“Neo”ってなんでしょうね。発売は3月11日、最小構成は9万9800円となります。

今回、先行レビューという形で、先に数日間触る機会をいただけましたので、ファーストインプレッション的に使い勝手を紹介していきます。PCを初めて買う人にも、Windowsからの乗り換えを考えている人にも、少しだけ参考になれば幸いです。

一般的なモバイルPCのサイズ感だがやや重いか

本体サイズは、高さ1.27×幅29.75×奥行き20.64cm。13インチディスプレイを搭載していることもあり、ノートPCとしては標準的なサイズだと感じます。MacBook Air (M5)よりは分厚くなっていますが、幅、奥行きはほんの少しコンパクトになっています。体感できるほどの差ではありませんが。

質量は、1.23kgとなります。MacBook Airで言うと、M5モデルと同じ、M4モデルよりは0.01kg軽いという仕上がり。ハイパワーのMacBook Proが重いのは納得感がありますが、エントリーモデルとも見て取れるMacBook Neoだと考えると、重さは若干引っ掛かります。移動用のサブ機としてMacBook Neoを使いたいというニーズを鑑みても、もう少し軽かったらなというのが本音です。MacBook Airよりもディスプレイは小さいわけですからね。

本体カラーは、シルバー、インディゴ、ブラッシュ、シトラスの4色展開です。シルバー、インディゴはさておき、薄ピンクのブラッシュ、パキッとした黄色のシトラスと、従来のMacBookシリーズらしくない、ポップな色合いがラインアップされています。

個人的に、カラーバリエーションの拡充は大賛成。iMacのように、もっと選択肢があってもいいと思うくらいですが、製造コストなどを考えれば、珍しい色が2色も選べるだけで御の字です。今回はシトラスを試していますが、派手な黄色ながら、金属素材で安見えしない、洗練された仕上がりだと感じています。

13インチディスプレイは作業領域に注意

ディスプレイは13インチのLiquid Retinaディスプレイとなっており、解像度2408×1506となります。周囲の明るさに応じて、画面輝度を自動調整するTrue Toneテクノロジーは非対応となっています。

モバイルPCとして解像感は十分な印象で、最大500ニトの画面輝度も、屋内での使用であれば問題ない明るさです。実使用上、ディスプレイのスペック不足を感じるシーンはほぼありません。

ただし、近年のMacBook Air、MacBook Proに搭載されている「ノッチ」はなく、分厚いベゼルが上下左右に存在するのはやや気になるところ。ノッチがそもそも好きではないという人にはむしろいいデザインかもしれませんが、ノッチの左右に各種アイコンを配置できず、ベゼルの下にアイコンが並ぶデザインとなるため、アプリの表示領域は縦幅が狭くなります。

横幅はそれなりに確保できるため、2つ、3つとアプリを横に並べて使うというニーズではそこまで困りませんが、画像で見るよりも、実際に有効に使える範囲が狭い点は念頭に置いておくべきでしょう。

キーボード、トラックパッドは相変わらず快適な操作感

今回は、日本語配列のキーボードを搭載するMacBook Neoを試用。キー配列はほかのMacBookシリーズと変わらず、打鍵感も遜色ありません。MacBook特有の、浅いのにしっかりと押し心地があるキーボードがしっかりと踏襲されています。

個人的には、キーの色が本体カラーに寄せた明るい色である点がお気に入りポイントです。黒いキーだと、スレや皮脂汚れがどうしても気になってきます。実際、数年使った後にどうスレていくのかは未知数ですが、現状はMacBook AirやMacBook Proにもこの色のキーボードを選択できるオプションが欲しいなと思っています。

ちなみに、キーボードの右上に搭載されているTouch IDはストレージ512GBモデルのみの搭載。256GBモデルでは非搭載となる点は注意です。各種パスワードを入力する際、代わりに指紋認証で突破することができるTouch IDは、あると便利であることに間違いありませんが、ないと実用上困るというわけでもないが迷いどころです。

トラックパッドは上位モデルとは若干仕様が違い、圧力感知機能が搭載されていません。そのため、クリックする感触が若干異なるのですが、指を滑らせる感触、ジェスチャー操作の滞りなさはさすがMacBookと言える仕上がりです。特に10万円未満のWindowsノートPCだと、ここまで優秀なトラックパッドを搭載するモデルも少ないので、MacBook Neoならではの優位性と言えます。

USB-Cポート2つはさすがに少ない?

インターフェースは、本体左側面にUSB-Cポートが2つと、3.5mmイヤホンジャックを搭載するのみ。HDMIやUSB-Aポートはおろか、上位モデルでは充電用に搭載されているMagSafeポートも非搭載となりました。

これは明確に不満なのですが、充電用ポートがないため、USB-Cポートのうち1つは充電器と接続するのが一般的になります。つまり、汎用的に使えるポートは1つだけ。さすがに少ないと言わざるを得ません。もちろん、複数ポートを持つUSBハブなどで拡張することはできますが、それにしたって物足りなさを感じてしまいます。

さすがに使いにくいな、物足りないなと思いながら触っていますが、そもそもこれは筆者がPCを多数の周辺機器と接続して使いたい人だから、という側面もあります。移動時に持ち出すサブ機としての運用や、大学生が軽くレポートを書くなど、ノートPCが1台あれば完結する使い方をする場合は、これで十分という考え方もできます。廉価モデルということもあり、ミニマリズム的な発想で作られているMacBookであるため、そもそも筆者はターゲットユーザーではないという話なのでしょう。

ただし、どうしても気になるのが、2つのUSB-Cポートのうち、奥側がUSB 3、手前側がUSB 2となっており、仕様が異なる点です。見た目の違いはないため、ユーザーはどちらがUSB 3かを記憶して使う必要が出てきます。これはさすがに面倒です。

スピーカーは本体側面に搭載

本体側面を見るとわかるように、スピーカーは両サイドに搭載されました。デュアルスピーカーサウンドシステムという名称になっており、しっかりとステレオサウンドを楽しめます。

手元のMacBook Air(M4)と比べると、高音の響きが若干薄っぺらく感じますが、比較しなければわからないレベルの仕上がり。モバイルPCのスピーカーとしては十分な品質だと感じています。

A18 Pro、8GBメモリの実力はいかに

搭載SoCは、A18 Pro。iPhone向けのチップセットをMacBookに載せてきたことが、1つの特徴となります。メモリは8GBで固定と、近年のPC市場を考えると、心許ないスペックになっています。

では、実用上スペック不足を感じるかというと、筆者の使い方である文書作成や動画再生、軽い写真編集程度であれば問題なく動作しています。アプリを複数立ち上げる、ブラウザで多数のタブを開くといった使い方も問題なくこなしており、「思ったより快適だな」と感じています。

もちろん、動画編集のようなヘビーな作業をする場合は物足りなさを感じてくるでしょうが、そもそもヘビーな作業を求めるデバイスではないので問題なし。10万円未満で、ここまで安定したパフォーマンスを出せるPCを探そうと思うと相当大変でしょう。

作文ツールなど、Apple Intelligenceを中心にAI機能もいろいろと試していますが、いずれも処理にもたついたり、固まってしまうこともありません。「Apple Intelligenceには、そこまで高度なAI機能がないじゃないか」というツッコミはありますが、現状の基本機能はしっかりとこなせる印象です。

では、今後更にAIが進化していくことを考えるとどうでしょう。アップルのAI機能としては、これからApple Foundation ModelとしてGeminiを採用することも発表しており、さらなる高度化が期待されるタイミングです。

今後、iPhone向けのSoCと8GBメモリでどこまで新しいAI機能が動作するのかは未知数なので、MacBook Neoがいつまで現役でいられるのかという心配はあります。

現状の10万円切りノートPCとしてはいい選択肢になる

本体の重さやベゼルの分厚さ、インターフェース、将来的なメモリ不足に対する不安など、何かと不満が目立つファーストインプレッションになってしまいましたが、先にも触れたように、これは筆者がMacBook Neoのメインターゲット層ではないからこそ感じる部分ではあります。実際、10万円を切る販売価格で、ここまで安定したパフォーマンスを発揮するノートPCはなかなかないのも事実ですから、初めてノートPCを購入する人、移動用のサブ機として買う人などであれば、有用な選択肢となるでしょう。

8GBメモリの先行きが不安と言っても、現状快適にこなせている文書作成、動画視聴といったライトな使い方がメインで、最新AI機能をガンガン使っていくわけではないのであれば、数年は余裕で活躍できるはずですから、大学入学のタイミングで、学業用に買うといった目的にもありでしょう。MacBookシリーズは自分には高性能すぎるし、価格も引っかかると感じていた人にとっては、程よいモデルがついに登場したという印象です。

AI機能をガシガシ使っていきたい、動画編集といった高度な作業をしたいという人にはおすすめしないマシンとも言い換えられますが、10万円未満のノートPCがアップルから登場したことで、エントリーPCの市場競争が激化し、洗練されていく期待感もあります。MacBookシリーズだけでなく、ノートPC市場全体を見ても、ユニークな立ち位置のデバイスとして、今後の売れ行き等も注目したいところです。

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佐藤文彦

塾講師からの転職後、編集プロダクションを経てフリーライターに。ケータイ業界を中心に、ガジェット、通信技術に関する情報を幅広く取材中。三度の飯よりレビューが好き。スマートウォッチを付けていられる腕が足りないことが最近の悩み。(X:@fumihiko_sato_x

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