iPhone Airレビュー!薄型軽量iPhoneは誰のためのデバイスなのか

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毎年9月に最新シリーズが登場するiPhone。2025年も4モデルが新展開されました。

標準モデルの「iPhone 17」、上位モデルの「iPhone 17 Pro」、「iPhone 17 Pro Max」と、例年通りの3モデルに加え、薄型軽量モデルの「iPhone Air」がラインアップされたのが、大きな話題です。

発表時点から大きな注目を集めたのは、その薄さや軽さといった製品の魅力だけでないでしょう。標準モデルよりも高価な設定ながら、アウトカメラはシングル、スピーカーはモノラルと、薄さを追求するために削られた要素が見てとれたためです。

iPhoneシリーズにしてはかなり珍しい、攻めた製品であるiPhone Airは、どのようなユーザーにおすすめできる端末なのか。購入から1ヶ月ほど経過した現時点でのレビューをお届けします。

5.6mm、165gの薄型軽量ボディはどこまで快適なのか

iPhone Air最大の特徴は、やはり本体の薄さ、そして軽さです。薄さは最薄部で5.6mm、質量は165gとなります。

インパクトのある数字ではありますが、持った時の感触は数字以上に驚くものがあります。稚拙な表現になりますが、「めっちゃ持ちやすい」です。

薄型といっても、カメラ部分が出っ張っているため、使いにくいのではないかという意見も見られますが、実際に使っていても、手に持つのは薄い部分であるため、出っ張りが気になるシーンはほぼありません。ただし、本体を机に平置きして操作したい人は、グラつきが気になることもあるでしょう。

薄さは、Yシャツの胸ポケットなどにも収まりがいいというメリットがありますが、個人的にはそれ以上に、165gという軽さによる、手首への負担の少なさが魅力だと感じています。同時に使用しているiPhone 17 Proと比べると、画面は大きいながら、快適さは圧倒的です。

右側に電源ボタンとカメラコントロール
左側にアクションボタンと音量ボタンを搭載

本体側面は、iPhone 17シリーズと同様に、右側に電源ボタンとカメラコントロール。左側にアクションボタンと音量ボタンを搭載。これだけの薄さながら、カメラコントロールまでしっかりと搭載しているのは、評価するべきポイントでしょうが、本体が薄い分、若干カメラコントロールの使いにくさを感じるシーンもあります。

また、側面は金属素材になっており、指紋の付着がそれなりに気になるのが残念なポイント。せっかくの薄型軽量モデルであるため、個人的にはケースやバンパーをつけずに使いたいのですが、汚れはどうしても付着してしまいます。

6.5インチディスプレイは使いやすさ十分

ディスプレイは、6.5インチ。iPhone 17やiPhone 17 Proよりも一回り大きく、iPhone 17 Pro Maxよりも一回り小さいサイズになります。薄型でもある程度のバッテリー容量を確保するため、持ちやすさとサイズのバランスをとったサイズなのでしょう。

SNSでは中途半端、妥協したサイズだという指摘も見受けられますが、動画視聴やゲームの視認性もそれなりにあり、かつ持ちやすいという程よいサイズ感です。むしろ、これ以上小さいと、画面の迫力に物足りなさが出てくるので、満足しています。

また、iPhone 16シリーズ以前は「Pro」モデルにのみ採用されていた、「ProMotionテクノロジー」最大120Hzのリフレッシュレートに対応したのもポイント。ゲーム、動画が滑らかに動作するので、アプリゲームを頻繁にプレイする筆者にとっては、なくてはならないスペックです。常時表示ディスプレイにも対応しているので、時刻や通知をチェックしやすいのも魅力でしょう。

画像はフィルム装着後なので悪しからず……

画面上部に搭載されたインカメラ部分は、Dynamic Islandが採用されています。進行中のアプリのショートカットになるため、便利に感じるタイミングもありますが、画面の欠けはかなり大きくなるので、個人的にはそこまで気に入っていません。ほかのiPhone 17シリーズと比べると、若干低い位置に搭載されていますが、この微妙な差については、よく使い比べないとわからない程度でしょう。

懸念ポイントのカメラ、スピーカーはどれだけ使えるのか

iPhone Airを購入する前に懸念されるポイントが、シングルカメラ、モノラルスピーカー、バッテリー容量といったところでしょう。実際筆者も、購入以前には、この辺りを懐疑的に見ていました。

先に結論から言えば、「そんなことは気にならないくらい薄くて軽いのが快適」になるのですが、この辺りの感じかたは人それぞれなので、それぞれ詳細に使い勝手をチェックしていきましょう。

まずはカメラ。アウトカメラは48MPのシングルで、焦点距離26mm、f/1.6絞り値、センサーシフト光学式手ぶれ補正に対応します。48MPを活かし、光学相当の2倍クロップズームには対応していますが、物理的に超広角、望遠の撮影には対応していません。

メインカメラはほかのiPhone 17シリーズと共通になっているため、使用感は十分。若干赤みの強い仕上がりになりますが、写りも綺麗です。iPhoneシリーズらしく、特にポートレート写真のボケ感が強く、雰囲気のある写真が撮影できます。

iPhone Air 等倍
iPhone Air 等倍
iPhone Air 等倍
iPhone Air 2倍ズーム
iPhone Air 10倍ズーム

一方で、超広角カメラ、望遠カメラが欲しくなるシーンもそれなりにあります。大きな建物の写真を撮る際、集合写真を撮る際などには、超広角カメラの有用性を改めて感じます。また、他モデルにはある超広角を使ったマクロ撮影に対応していないのも、使い勝手が悪いと感じてしまうポイントです。

望遠カメラも同様で、あると便利なシーンはそれなりにあります。人の写真を撮る場合など、2倍の光学品質ズームでは物足りなさを感じることがしばしば。運動会や学芸会で子供の姿をしっかりと捉えたいという場合は、iPhone Airでは力不足でしょう。

インカメラは18MPで、iPhone 17シリーズの3モデルと同様のスペックになります。セルフィーを撮影する際、集まった人に合わせて、画角を横長に自動調整する機能や、インカメラとアウトカメラの両方で動画を撮影する機能など、見どころのある新機能も多数搭載されています。セルフィーの機会が少ない筆者にとっては、宝の持ち腐れになりかねませんが、ユニークな機能であることに間違いはありません。

続いて、スピーカーについてです。iPhone Airの場合、スピーカーは本体上部にのみ搭載されているモノラルスピーカーとなっており、近年のミッドレンジ、ハイエンドモデルに搭載されることの多いデュアルスピーカーからは、明確にスペックが劣る部分と言えます。

実際に音を再生しても、特に低音の響きが弱く、軽い音になるため、デュアルスピーカーを搭載したスマートフォンから乗り換えると、物足りなさを感じるかもしれません。音楽、動画再生にイヤホンを使う人は、そこまで気にするポイントではないのでしょうが、スマートフォンでゲームをする人などは、引っかかる要素になるでしょう。

一方で、少しニッチな話になりますが、いわゆる「音ゲー」をプレイする際、両手で端末を持ち、親指で画面をタッチする人は、底面にスピーカーが搭載されていない分、手でスピーカーを押さえてしまう心配がありません。ここは思わぬメリットでした。

バッテリーは使い方次第では満足できるかも

カメラ、スピーカーと同様に、バッテリー持続時間も懸念点でしょう。公称値ではビデオ再生27時間、ビデオのストリーミング再生22時間となっています。

筆者の場合、約半日の外出をする場合、電車移動でWebブラウジング、音楽再生などをしていても、帰宅する頃には、だいたい20%ほどの電池残量になっています。少々不安な数字ではありますが、今のところ道中充電を強いられたことはありません。

ただし、テザリングを長時間していたり、カメラ機能を多用していると、それだけバッテリーは消耗していきます。使い方次第では、物足りなさを大いに感じることになるため、外出時間があまり長くない人、充電の環境が整っている人の方が、おすすめがしやすいのは事実です。

アップルは、iPhone Air専用のモバイルバッテリーも展開していますが、これは常時装着しておくためのものというよりは、電池が減ってしまった際に、緊急的につけて使用するものと解釈しています。背面に取り付けて充電ができるのは便利ですが、使用中はiPhone Airの薄いという特徴が失われてしまうため、モバイルバッテリーをすでに持っている場合は、わざわざ購入するほどのものでもないでしょう。

A19 Proの実力は十分だけど発熱は気になる

搭載SoCは、アップル自社製のA19 Proとなります。iPhone 17 Pro、iPhone 17 Pro Maxと同じ名称のものですが、1コア少ないGPUを搭載しており、立ち位置的には、iPhone 17よりは高スペックだけど、Proほどではないといったところでしょう。ちなみに、メモリは例年通り非公開ですが、ストレージは256GBスタートとなりました。

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最新の上位SoCを搭載しているだけあり、動作は非常にスムーズです。有機的なデザインになったiOS 26もストレスなく動作し、ゲームアプリやApple Intelligenceもサクサク動きます。

気になるのは、薄型がゆえか、それなりに本体が熱を持つところです。熱さは部分的なため、操作にストレスを感じることはありませんが、使っていて結構不安を覚えます。また、発熱をするということは、それだけバッテリーの消耗も早くなるため、動作時間が短くなってしまう点も無視できません。

スペック的には、ハイエンドスマートフォンといって差し支えない高性能ながらも、発熱やバッテリーといった観点から、ヘビーにゲームをプレイするといった使い方には、若干引っ掛かりが生まれるのが、少々もったいない印象です。

短時間で、サクッとゲームをするくらいであれば、熱もそこまで気にならずに楽しめるので、ミッドレンジ、ミッドハイクラスよりはサクサク、高性能に動くものの、特定の用途には弱いといったところでしょう。

総じて、iPhone Airは見た目の通り、非常に尖ったコンセプトを持つ端末だと、使っていて改めて実感しています。刺さる人には刺さる端末の域は超えないのでしょうが、個人的には、毎日触るデバイスだからこそ、薄さや軽さをフォーカスするのはとても有意義だと感じます。さまざまな要素に懸念があるという人も、一度量販店等で手に取ると、印象が変わるかもしれません。

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佐藤文彦

塾講師からの転職後、編集プロダクションを経てフリーライターに。ケータイ業界を中心に、ガジェット、通信技術に関する情報を幅広く取材中。三度の飯よりレビューが好き。スマートウォッチを付けていられる腕が足りないことが最近の悩み。

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