2026年2月5日、NTTおよびNTTドコモが2025年度第3四半期決算説明会を開催しました。
以前も紹介した通り、ドコモはここ数年苦戦を強いられる状況が続いています。5Gネットワーク整備の遅れ、irumoの0.5GBプラン廃止によるMNP転出の増加などが起因となっており、ネットワークの繋がりにくさなどは、ユーザーとして体感している人も多くいるでしょう。
本記事では、最新の決算説明会の内容、注目ポイントについて簡単にまとめていきます。
ドコモMAXは好調もNTTは通期業績予想を下方修正

ドコモの使い放題プランとして2025年6月より提供開始されたドコモMAXは、現時点で250万契約を突破。年間目標の300万契約達成は確実とされています。これに伴い、1ユーザーあたりの平均収入であるARPUは50円上昇しています。

営業収益は前年同期比で2%増となっているのに対し、営業利益は10.6%減となっています。スマートライフ事業、法人事業が好調で大幅増収となっているものの、コンシューマ通信事業は減収であるためです。

コンシューマ通信領域の減収について、機器収入が882億円減、端末購入プログラム影響が994億円減と厳しい状況が続きます。減収幅は縮小しており、前四半期ではマイナスだったMNPがプラスに転じ、1月までの4か月間はMNP増加を続けているものの、まだまだ明るい状況とは言えないでしょう。

ドコモの状況を踏まえ、持株のNTTは2025年度の通期業績予想を下方修正。営業収益260億円減、営業利益1100億円減、当期利益は750億円減と設定しています。
端末購入プログラムにはテコ入れが入るかも

ドコモの業績において、顧客基盤の強化、ネットワークの強靭化に多大なコストがかかっているのはもちろんですが、注目は端末購入プログラムについて。収益悪化により、300億円の影響が出ているとされています。
ドコモは「いつでもカエドキプログラム」「いつでもカエドキプログラム+」を提供しています。ご存じの方も多いでしょうからざっくりと説明しますが、最終支払い額がやたらと高く設定された分割払いを組んで端末を購入し、よきタイミングで端末を返却すれば、残価の支払いが免除されるという仕組みのプログラムです。

本プログラムにコストがかかる要因として、ドコモの前田義晃社長は、想定よりも早いタイミングで端末を返却するユーザーが多いことを説明しています。MNPをすればお得になる市場の流動性もあり、高い残価が再分配される前に端末を返却し、新しい端末を購入したり、MNPしていくユーザーが多いということでしょう。
端末が手元に残らないという弱点こそありますが、ユーザーとしてはお得に使えるタイミングで端末を返却したいと思うのも当然です。その場合、残価はドコモが背負う格好になるため、想定よりもコストがかかっているのが現状というわけです。
想像ではありますが、端末をお得に返却できるタイミングで、ネットワーク品質を鑑みてKDDIやソフトバンクにMNPするユーザーも一定数いるでしょう。長期的に回線契約を行ってもらうことが通信会社の主要な収入源となるため、端末を早期に返却され、そのままMNPされてしまうと、ドコモには残価のみが残る形となってしまいます。
具体的な代替案こそ言及されていませんが、前田氏は端末購入プログラムの内容、残価設定の見直しを検討していくことを表明しており、今後テコ入れが入っていくことと思われます。
5G基地局は26年度中に他キャリア水準へ

1ユーザーとしても気になる通信品質については、これまで基地局の増設、5G基地局の大規模展開、ユーザーが多く集まる場所でのスポット対策などが実施されており、下りのスループットは主要都市中心部の90%で、100Mbps以上を達成できていることが報告されています。

2025年下期には、2025年上期比で3倍のペースで5G基地局を建設。2026年度もこの3倍ペースを維持し、他キャリアの5G基地局数に追いつく想定となっています。
前田氏は「基地局数だけで通信品質が決まるわけではないが、計画をしっかり進めれば、2026年度中に他社とそん色なく、場合によっては超えるところも含めて実現できるのではないか」とコメントしています。
顧客基盤強化の次なる一手は「dバリューパス」
獲得したユーザーを長期的に手放さないためには、顧客基盤の強化が欠かせません。すでに発表済みの「dバリューパス」は2026年3月より提供開始予定となっていますが、本日新たに「Amazon dポイントボーナスday」特典の追加が発表されています。

毎月5日をボーナスdayとし、dバリューパス加入者がAmazonで1回5000円以上の買い物をした場合、最大5%のdポイントが還元されます。毎月Amazonで買い物をするといった人は、かなりお得になるかもしれません。
dバリューパスはほかにも、コンビニ大手3社で使えるクーポンの配布、d払いなどの利用で貯まるポイント特典、モバイルバッテリーサービス「CHARGESPOT」の使い放題など、個人的には非常に惹かれる内容になっています。これだけそろって月額550円ですから、顧客基盤強化の施策としてどれだけ効果を発揮するのかにも注目です。
注目の金融事業は新会社を7月に設立
最近ドコモ、およびNTTの動きとして注目されている金融事業については、NTT社長の島田氏が、金融事業を統括する持株会社を2026年7月に設立する方針を発表しています。

新会社には、住信SBIネット銀行やマネックス証券といった金融関連会社が加わり、d払い、dカードといったドコモが運営する決済サービスも移管されるとのことです。
前田氏は、「決済、投資、融資、保険といった金融サービスと通信サービスをシームレスにつなぎ合わせる」としています。他社からは遅れた形となりましたが、こちらも1つの顧客基盤強化施策として期待したいところです。
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