韓国メーカー「ALT」が日本上陸!ケータイとスマホを掛け合わせた「ケースマ」ってなに?

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久々に日本市場に上陸するメーカーが登場しました。その名も「ALT(アルト)」。韓国のモバイルデバイスメーカーとして2017年9月に設立され、モバイル事業やAI/データ/サービスプラットフォーム、メディア事業などを手掛ける会社です。

スマートフォンメーカーとして一般的にイメージする、「ハイエンドやミッドレンジの端末を毎年出していくぞ!」といったコンセプトとは異なり、シニア層やキッズ層にアプローチした、ある意味ニッチな端末を多く展開するメーカーとなります。

日本国内に初投入となるデバイスは、一見フィーチャーフォンなのにAndroid OSを搭載した「MIVE ケースマ AT-M140J(以下ケースマ)」。価格は3万4800円(税込)で、一部MVNO、家電量販店で取り扱われます。では、どんな端末に仕上がっているのか、詳細をチェックしていきましょう。

ボタン入力、タッチ入力の両方に対応

写真を見てもわかる通り、ケースマはぱっと見普通のケータイとなります。いわゆる「ガラケー」と呼ばれる製品ですね。そのため、テンキーや受話、終話ボタンを搭載しており、物理ボタンでの操作ができます。ボタンは凹凸がほぼない、フラットなデザインですが、押した際のクリック感は良好でした。

入力がしやすいか否かという意味では、個人差があるのでなんともという感想です。フィーチャーフォンを使ってこなかった筆者からすると、「何回同じボタン押すの!」と思わなくもないですが、そもそもターゲット層ではないので仕方ありません。フィーチャーフォンの確実な操作性が気に入っており、スマートフォンには変えたくないという人には、待望の選択肢となり得ます。ボタン操作の感触を懐かしく思う人もいるでしょう。

ケースマの面白いところはここから。約4.3インチのメインディスプレイはタッチ操作に対応しており、普通のAndroidスマートフォンと同じ感覚でコントロールできます。下部にテンキーがあるため、タッチしやすいとは言い難いものの、物理ボタンとタッチ操作の両方ができるというのがミソの端末になります。

物理キー入力を快適にするための「iWnn」

物理キーでの入力や、タッチ入力と物理キー入力でのシームレスな切り替えに対応するため、オムロンデジタルが開発した日本語入力IMEの「iWnn」が採用されています。

これにより、キーボードで入力し、画面タップで決定する動作や、ボタンを押した瞬間に文字入力ができるようになるなど、シームレスで違和感のない入力体験を実現しています。端末スペック由来のもたつきがないわけではありませんが、こと文字入力に関しては、ストレスのない体験ができるのが魅力です。

裏話的な要素になりますが、従来のソフトウェアキー中心の制御から、物理キーと共存するシステムや、多数あるアプリの上でタップを優先するか、物理キーを優先するかといった判定まで、課題はさまざまあったとのことです。

背面には約1.83インチのサブディスプレイを搭載

背面、というべきかはわかりませんが、折りたたんだ際に正面に来る部分には、約1.83インチのサブディスプレイが搭載されています。

サブディスプレイでは、日付や時刻、バッテリー残量、通知などが確認できます。タイマーをセットすれば、残り時間を出してくれるので、なかなか使い勝手はいい印象です。ただし、サブディスプレイのタッチ操作には対応していないので、あくまで窓的なものだと認識しておきましょう。

フィーチャーフォンとしては大きいサイズ感

本体サイズは127.8×65.3×16.2mm、重さは約195g。フィーチャーフォンとしては大きく重いですが、物理キーでの操作であれば、片手で問題なくこなせます。ヒンジはかたく、90度前後での固定はできなさそう。使うときは完全に開いて使うことになり、いい感じの角度に立てかけるのは難しかったです。

本体はIPX4/IP5Xの防塵防水性能に準拠しており、普通に使う分には問題ない耐久性をしっかりと確保しています。側面には3.5mmイヤホンジャックを備え、有線イヤホン接続時にはFMラジオ機能も利用できます。

バッテリーは2100mAhで、充電は底面のUSB-Cにて行います。別売にはなりますが、専用の充電台も販売されます。

残念ながらeSIMには対応しておらず、nanoSIMにのみ対応。搭載SoCはMediaTek Helio G36で、メモリ3GB、ストレージ32GB、最大1TBのmicroSDカードにも対応しています。スマートフォン基準で言えばかなり低スペックですが、そもそものコンセプトからして、スマートフォンライクに使う端末ではないため、これで十分といったところでしょう。

個人的には、おサイフケータイ機能に非対応なのはやや残念。FeliCa非搭載にいかついカメラを搭載したフラッグシップ機に、サブ機としてのケースマを合わせて使うと面白そうだなと感じていただけに、ちょっとがっかりしてしまいました。

ALTによると、スケジュールやコスト、ターゲットユーザーといった観点から総合的に考え、FeliCaの搭載は見送ったとのこと。ケースマの売れ行き次第では、次世代機でのFeliCa搭載に期待したくなります。

LINEもGoogleマップも、YouTubeも使える。だってAndroidだもん

搭載OSはAndroid 14 Go Edition。軽量版とはいえ、正真正銘Android OSですから、みんなが使いたいあんなアプリやこんなアプリも使えるというわけです。一部アプリは使えませんが。

コンセプトから見ても、ゲームアプリなどをガツガツと動かす端末ではないので、この辺りは割愛していいでしょう。重要なのは、LINEといったコミュニケーションツールや、Googleマップといった利便性の高いアプリ、YouTubeのような動画アプリにも対応しているところです。

「使い慣れた物理ボタンを搭載したフィーチャーフォンがいいけど、孫とのやり取りにはLINEを使いたい」といったニーズにピタッと当てはまります。これこそが、ALTが開拓したいニッチだけど着実にいるターゲット層ということです。

画面上をタップする動作は、指で行う代わりにキーボードから行えます。Android OSの仕様上、残念ながらスクロール操作は物理キーからほぼできないため、一部のアプリは結局画面を触らないと使いにくくなっていますが、チャットをする、メモを取る程度であれば物理キーで解決できるのは大きなメリットでしょう。

シニア向けの独自機能も搭載

シニア向けの端末と言うだけあり、ただフィーチャーフォンの形にしたのではなく、独自のサポート機能も多数搭載です。

ホーム画面は、通常のレイアウトのものに加え、らくらくホンのようなデザインになる「シンプルホーム」モードも採用されています。

側面に搭載された「SOSボタン」では、5秒間長押しすることで、登録した連絡先に位置情報をSMSで送信する機能を搭載。SOSボタンは、短いクリックで任意のアプリを起動するショートカットキーとしても動作します。

一定時間端末の操作が行われていない場合には、登録した連絡先に安否確認のメッセージが送信される機能も搭載されています。定刻のお知らせや電話、メッセージの受信時には、音声で発信元やメッセージ内容を読み上げる機能も利用可能です。

ケースマ登場の裏に3G停波あり

では、なぜALTがこのタイミングで、フィーチャーフォン型のスマートフォンを引っ提げて日本上陸したのか。背景には、2026年3月に迫るドコモの3G停波があります。

ドコモの3Gが停波すると、大手3キャリアの3Gサービスが終了することになります。これにより、4Gに繋がらないフィーチャーフォンを使っているユーザーは、機種変更を余儀なくされる状況が迫っています。

ALTとしてもドコモの3G停波は把握しており、「もう少し早く発売したかったのが正直なところ」とコメント。3月末に照準を合わせるのであれば、確かに残り時間はわずかですから、これからどれだけプロモーションをかけられるのかが勝負となりそうです。

ただし、3Gの停波後も、4Gケータイを使っているユーザーは多くいるため、ALTとしてはこの層もターゲットにしているとのこと。フィーチャーフォンがいいけど、LINEはしたいといったニッチなニーズがどれほど求められていくのかに注目です。

また、シニア層への訴求を目指すのであれば、通信キャリアでの採用も重要な要素となっていきます。現時点ではイオンモバイルをはじめとするMVNO、家電量販店での取り扱いのみが決定されていますが、今後どこかのキャリアを手を組み、一気に需要をさらっていく可能性もあるでしょう。現状フィーチャーフォンの取り扱いがない楽天モバイルあたりで採用されると、また市場に面白い動きが見られるかもしれません。

*記載内容は、公開日もしくは更新日時点のものです。最新情報については、必ず各公式ページをご確認ください。

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佐藤文彦

塾講師からの転職後、編集プロダクションを経てフリーライターに。ケータイ業界を中心に、ガジェット、通信技術に関する情報を幅広く取材中。三度の飯よりレビューが好き。スマートウォッチを付けていられる腕が足りないことが最近の悩み。(X:@fumihiko_sato_x

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